こんなに一杯いつ使うの?と思われるかもしれませんが、使う機会が多いのではなく、シーンによって使い分けているという感じです。
つまり一挺当たりの使用時間は相対的に短くなります。
各々の鋏を取り出しやすく配置しておけば、使い分けに手間は掛かりません。快適です。
自分で研げるなら職人さんの作った鋏も良いのですが、鋏の研ぎは色んな点でかなり難しいのです。
写真左から
1.レイメイ藤井 ハサミ スウィングカット フッ素コート SH900
2.PLUS フィットカットカーブ ジャストグリップ(左右非対称型) SC-175ATN
3.タミヤ クラフトツール デカールバサミ 74031
4.コクヨ エアロフィット スペリオ チタン・グルーレス ハサ-PH240D
5.名称不明百均鋏
1.レイメイ藤井 ハサミ スウィングカット フッ素コート SH900
スウィング構造(引き切り効果)、フッ素コーティング、やわらかリング、左右非対称
メーカーサイト http://www.raymay.co.jp/homestationery/contents/swingcut/movie.html
特徴的な形状に釣られて購入しました。
後述のフィットカットカーブと同様に刃先まで一定の開き角になるよう工夫されたエッジラインと共に、支点を中心からずらすことにより引き切り効果を狙ったものです。
支点をずらすという工夫は工具でも見かけることが有りますね。
更にこの支点が紙よりも下に来るので、切り終えた部分が下に押し流されてゆきます。特に硬い紙を切っているときにはこれが実に快適です。
マットな風合いのグレー色が良くてフッ素コートタイプを選びましたが、チタンコーティングの上位モデルSH120も有ります。
グリップ間の接触を和らげるストッパーなど、メーカーの本気度を伺わせる芸の細かさで、なかなかのお気に入りです。
マイクロベベル(幅のごく狭い二段刃)まで付いています。20倍以上のルーペで確認出来ます。
独特の形状のせいか切り進むラインが何となく見通しにくい気がするという難点はありますが、最近はこいつの出番が多くなりました。
小指をかける出っ張りが有れば更に良かったのですが。
2.PLUS フィットカットカーブ ジャストグリップ(左右非対称型) SC-175ATN
ベルヌーイカーブ刃、チタンコーティング、低反発グリップ、左右非対称
メーカーサイト http://bungu.plus.co.jp/product/cut/fcurve/premium.html
以前の記事で紹介したものです。
最大の特徴はベルヌーイ曲線を描いたエッジライン。刃先までスパッと切れます。
ラインナップも豊富で左右対称タイプやキッチン用に丸洗い出来るタイプも有ります。
カバーが付属しているので工作教室などに持参するのにも便利です。
エッジ(切るときに使う刃の付いている部分)の形状を除いては丁寧な造りのごく普通のハサミといった感じで、癖が少なくて使いやすいと思います。
3.タミヤ クラフトツール デカールバサミ 74031
フッ素コーティング、左右非対称
メーカーサイト http://tamiyashop.jp/shop/g/g74031/
模型メーカーによる鋭く小さな刃を持つ鋏です。
デカール(プラモデルに貼るステッカー)用に作られたものですが、刃先が非常に鋭いので、細かい部分をスパッと切り抜くのに重宝します。
アマゾンのレビューに糸が切れないとありますが、私のは問題ありません。非常に鋭い切れ味です。
これで硬い物、厚い物は切らないで下さい。ブレードも支点もサイズから見て耐久性は低いでしょう。
刃先の保護に何かチューブを被せておくと良いでしょう。最初の集合写真に写っているのはメガネの滑り止めに使うシリコーンゴムチューブを切ったものです。熱収縮チューブも良いかもしれません。
この鋏もちょくちょく使います。お薦めです。
4.コクヨ エアロフィット スペリオ チタン・グルーレス ハサ-PH240D
チタンコーティング、グルーレス、エアロフィット、左右非対称
メーカーサイトhttp://www.kokuyo-st.co.jp/stationery/scissors/airofit/superior.html
これは期待して買いました。
裁ち鋏の事務用版といった感じの比較的大型の鋏です。エッジは85mm程有ります。
まずチタンコーティング。
次にグルーレス。これは刃に段差を付けることでワーク(切られる物)との接触面積を減らして糊の付着を抑えるということのようです。
そしてエアロフィット。グリップ内側にエラストマー樹脂を使用するだけではなく、隙間を作ってクッション構造にすることによってソフトタッチにしてくれます。
いわばコクヨの鋏製造技術の総力を挙げた全部入りモデルといった感じでカタログ的には決定版と思えました。
しかし発売直後、実際に商品が届いてみると使用前からエッジの一部にチタンコーティングの欠けがありました。
販売店に相談して交換して貰ったのですが、交換品も同様でした。
その他、グリップのエラストマー樹脂が一部毛羽立っていて擦るとポロポロ崩れてきます。
僅かなことですが、期待していた分、残念な思いがありました。
とは言え、その後、コーティングの剥がれが進行することもなく、大型刃を活かして長く切るときやボール紙を切るときなどにザクザク活用しています。
持ちやすくダンボールを切っても指が痛くなりません。(ダンボールを沢山処理するときは長谷川刃物 段ボールのこ ダンちゃん DC-190Fをお薦めします。通販で溜まった箱をバリバリ分解しましょう!)
5.百均鋏。詳細不明。
商品名・型番等忘れました。左右非対称。
救急隊員や衛生兵等がよく使用しているメディックシザーという鋏と同様の形状です。
彼らは一刻を争う中で、皮膚を傷つけずに衣服やベルトを素早く切り裂く必要があります。
そこで先の尖った鋏ではなく、先に押さえの付いた「くの字」型ブレードの鋏を使います。
形状だけを見るとそれとほぼ同じようです。
ブレードはいかにも、さっき打ち抜きました!プレスしました!といった感。
開きはスムーズではありませんが、エッジにギザ加工してあるのでワークが滑らずガッチリくわえ込み、しっかり切ることが出来ます。
ナイフと違って鋏は刃そのものの鋭さではなく、2枚のブレードの合わせによって切ります。
滑らずキッチリ合わさる鋏が良く切れるということになります。
また、この鋏は、くの字型なので切った部分が指の背に当たりにくく、例えばペットボトルを切り抜くときなんかにも快適です。
百円なので硬い物にも惜しげなく使えます。
支点がはめ殺しで調整出来ませんが、今のところガタは有りません。
ツールナイフで有名なLEATHERMAN(レザーマン)からもRAPTORというギミック満載のメディックシザーが出ているようです。
このRAPTORについてアマゾンのレビューで整形外科医さんがリングカッターが便利だと書いておられますね。指輪絡みでの119番は昔からよくあるようです。
RAPTORは未購入です。念のため。
Fiskars(フィスカース)の折りたたみ式鋏はバラして、ファイアースターター(フェロセリウムロッド)のストライカーにしちゃいました。
結構飛びますよ。
因みにストライカーにはタングステン鋼が良いようです。
次回は携帯用の小型鋏について。
カッターについてもいずれ書きたいと思っています。