Wikipediaは集合知の一例としてよく取り上げられ、その可能性と限界について論じられることが多いが、私の場合は、身近な物知りに尋ねたり、それはこうなんだよってサジェストしてもらう感覚で使っている。そういう意味では分野を限定しない資料集として非常に有効だと感じる。少し前に公益法人がWikipediaを一部転載した杜撰な資料に道路特定財源から9000万円以上支出されたり(衆院予算委の録画)、最近では学生がWikipedia記事の丸写しでレポートを作成したりということが問題になった。
これらについての議論の中でも、Wikipediaの信頼性について問題となることが多いが、基本的には出典を示すという方針になっており、記事の末尾にはソースとなる一次情報の所在やニュース記事等へのリンクが記載されているので、まずとっかかりを掴むにはかなり役に立つ。
もちろんWikipedia自体を典拠とするのは、多くの場合に問題が生じるだろう。
ただ、二次資料だから駄目なのではなくて、信頼度の低い、つまり一次資料の的確な参照によって信頼性が担保されていない資料ならば、根拠とするに足りないということだが。
「ウィキペディア」という項を引いてみて知ったが、ウェブ上には、Citizendium のように記事の信頼性を確保しようとする百科事典プロジェクトも存在するようだ。